2010年2月26日金曜日

自転車×広島 一時停止


伊賀で、旅そのものが一時停止した。


本来なら一晩だけ友人宅に泊めてもらい翌日には出発するはずだった。しかしほとんどまる三日間、伊賀にとどまってしまった。理由は簡単、人と出会ってしまったからだ。


伊賀に来るまで、ほとんどひとりで走り続けてきた。この時まであまり旅をしているという気持ちになれなかった。ただペダルをこぎ、ぼーっと風景を眺めているという事実しか認識できなかったのだ。旅は、土地から土地へと渡っていくこと。その土地という空間は人の営みがつくり出しているのだと思う。だからこそ、旅では人と出会わなければいけない。人に出会うことが土地にふれることなのだ。


友人の生活の視点から伊賀という町を見ることができた。友人の暮らしやそれを取り巻く人々。これらが相互に混ざりあう空間にしばらく身をおき、人間同士が同じ空間(地域という)で生きていくにはやはり適度な距離感が大切なのだと感じた。伊賀は、東京の無縁社会や山村のしがらみのように偏りある距離でなく、人間と人間とが調度いい距離を保って関係しあっているように見えた。だからとても居心地がよく三日間も居座ってしまったようだ。しばらく生活のなかにいたからこそ、再び旅立たなければならないときにとても寂しさを感じた。また来たいと思える場所ができてよかった。

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