2010年4月8日木曜日

S君

あ、先日はどうも。わざわざ遠くからご来訪いただきありがとうございました。おかげさまでずいぶんと楽しかったでございます。
S君は無事に長野へ到着しましたかな。さすがにもう着きましたね。今回君に会って、いままで以上に君という人間の奥深さを垣間見たように思います。これからもゆっくりと時間をかけて君を発掘調査していくので末長いお付き合いの程よろしくおねがいいたします。
もう学校ははじまりましたか?農大は12日から授業がはじまります。中国から帰ってきて学校がはじまるまでの、この今のブランクタイム中、ぼくはいろいろと考えております。とくに将来について考えます。新聞記者になりたいという目標があります。なぜなりたいのか、という理由と理想の生き方とをうまくリンクさせたいのです。
いまのぼくの考えでは、記者という仕事は人間と人間とをつなぐものだと思います。新聞を読むと、遠い国の戦争やクロマグロ、米軍基地、トヨタ、JAL、政府、国会スペースシャトル、あらゆる事象が切り取れます。それに少し想像力を働かせると、どんな事件や出来事にも人間の血が通っているように思えます。事実そうなのでしょう。
作家の宮部みゆきさんの「理由」という本の一節に、人は誰でも毎日忙しく自分の現実を生きている。その中で、ニュースを通して他人の現実を知る。自分のものとは違う現実を知れば、それについて考えたり、怒ったり、悲しんだり、笑いとばしたり、受け流したりできる。とにかく何かのきっかけにになる。メディアの役割はそういうものだ、と言っていました。
ぼくは最近、人間と人間との間にある壁を取り除きたいと思っています。意識的につくってしまう現実の壁です。偏見とかレッテルとか、そういう言葉に置き換えられるかもしれません。そういう壁は、相手に対する興味や関心を持つことで取り除いていけるのではと期待しています。興味や関心は、相手のことを少しだけでも知らないと生まれてくるものではないと思います。誰もが誰に対しても、国籍や人種、言葉、利害、その他色々を越えて興味や関心を持って接することのできる世界ってなかなか楽しいのではないでしょうか。
「一日一人以上の人と、その人と話したことのないところまで話す」という君の抱負がとてもいいなと思ったのは、出会いがあるからです。壁の先に出会いはあると思います。フリーハグもヒッチハイクも現実の壁を打ち破ってこそできるものだから、ぼくは君を尊敬するよ。
つまりは、誰もが持っている自分自身の現実を囲う壁を取り除くきっかけを、ぼくは他人の現実を知らせるという新聞記者の仕事でもってつくり出したいのです。
理想の生き方は、まず家族という自分と現実を共有できる大切な人と暮らすこと。そしてその家族を中心とした親せきや、友達や、地域の人とのつながりを楽しめる生活。いまはこうとしか言えません。仕事と生き方がどうリンクするかわからないけど、仕事は仕事、家庭は家庭というような割り切りはしたくないです。僕は壁のない現実を生きたいから。
君が来たとき、他方面からのぼくの友達を呼んだのも、実はそういう意図があってのことです。
と、最近はこんなことばかり考えていたわけです。一方的な主張になってしまってすまないね。新学期はどんな感じかね。さわやかな新しい年度の君の生活ぶりをリポートしてください。フレッシュフレッシュ。
なにはともあれ、また会いましょうね。楽しみにしておるよ。 では、お元気で!

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